遥乃陽 blog

創作と改造のプライベートな趣味の世界 『遥乃陽 blog』の他に『遥乃陽 diary 』と『遥乃陽 novels 』も有ります

遣りたい事がたくさん! いつもバイオリズムとモチベーション次第。

のぞみ札『小さな女の子の神様Ⅱ 旅立ち』の製作

以前、二作目で立体に彫り込んだ『小さな女の子の神様』と同じ図柄ののぞみ札です。

前作は背景の階段を明るい配色にし過ぎていまい、夜に旅立つ神事の雰囲気になっていませんでした。

それで『Ⅱ』は、ぼんぼりの灯りの照らしと影を強調した色合いにしてみました。

彫り込みは正面顔ですから、鼻を3D化する高さを得る為に透かしになりそうなくらい階段部分を薄くしています。

ですが、欠けそうになるのを騙しながら彫り上げた小さな鼻は、とても可愛いとは言えません。

f:id:shannon-wakky:20150813073346j:plain

f:id:shannon-wakky:20150813073403j:plain

パソコン画面の画像とプリントした原画の色調が違うのも、難題でした。

画像ではコントラストがはっきりしている地色なのに、プリントは赤っぽい夕焼け色に全体がなってしまいます。

かなり画像の色調をかえた別画像で何度か試しても、望む色合いでプリントされないので、結局、パソコン画像で色合わせをしていましたが、何となくイメージと違うような気がします。

f:id:shannon-wakky:20150813073448j:plain

f:id:shannon-wakky:20150813073458j:plain

f:id:shannon-wakky:20150813073506j:plain

図柄は、神無月のぼんぼり祭りの夜に人の姿に窶した湯涌稲荷神社の狐神様達に送られて、出雲大社へ一時帰国する祭神の小さな女の子の神様で、作中のシーンを模しています。

五穀豊穣と生業繁盛を請うて湯涌の地に祀られる湯涌稲荷神社へ、神無月に八百万の神が集う故の縁結びの出雲大社から、『小さな女の子の神様』が降臨されて勧請(かんじょう)したのは、アニメ『花咲くいろは』の最終話故。

豊穣の稲荷神を祀る恩恵の地に、幸せの女神様降臨!

こうして湯涌の地は、生業を栄えさせ、愛を生み、幸せを育む湯の町に成りました。

以後、合祀された『小さな女の子の神様』が神無月の出雲大社へ向かう日に、湯涌ぼんぼり祭りは開催されています。

f:id:shannon-wakky:20150813073534j:plain

f:id:shannon-wakky:20150813073542j:plain

十月は神無月ですが、八百万の神々が出雲に集うだけで、社の地に神が不在になる訳では有りません。

分霊のように、神は世界中のどこにでも居るのです。

人間感覚に例えれば、神無月は八百万の神が出雲へ傾注したり、分身を出向させてリアルタイムでコミュニケーションしているような感じでしょう。

神無月は神の月ともされ、八百万の神の意が集う出雲の神在月は、大社で御縁尽くしの五百五十五円の御賽銭を入れて二拝四拍手一拝の御参りをすれば、八百万の神々が聞いていてくれそうです。

でも、住所氏名を言っても願いを聞き入れてくれるかは、別の話。

ぼんぼり祭りでの『小さな女の子の神様』は、御祭りを守護しながら分身の旅立ちを見送り、そして、全てののぞみ札の願いの中から叶える願いを選んでいると思います。

f:id:shannon-wakky:20150813073609j:plain

f:id:shannon-wakky:20150813073621j:plain

神様の合祀(ごうし)と分霊(わけみたま)について:

神道の合祀とは、一つの神社に二柱以上の祭神を祀る事で、それは別の神社から移して遷座させる神様や勧請や分霊と言われる分割した神様を、受け入れ先の神社の神様と一緒に祭神として合わせて祀る事です。

本社の神様の神霊は無限に分ける事ができ、分霊しても元の神霊は全く影響が無く、勧請した分霊も本社と同じ働きを行います。

f:id:shannon-wakky:20150813073650j:plain

f:id:shannon-wakky:20150813073702j:plain

f:id:shannon-wakky:20150813073716j:plain

のぞみ札「夏祭り」の製作

真夏の昼下がり、福神橋の袂を駆け抜ける浴衣姿の菜子をイメージしてみました。

タイトルロゴは花いろのコミックから、ポーズは謎カノからです。

のぞみ札背景の左側へ橋を渡れば、古民家を移築した江戸村や花いろ作中の『ふくや』のモデルとなった秀峰閣など、四軒の御宿が在ります。

朝市が催される『みどりの里』エリアもこちらです。

以前、江戸村は現在は芝生広場となった白雲楼ホテル前の坂を上ったところに在って、建物はそこから移築されています。

現在、旧江戸村跡地の殆どが草木に覆われて、残っているのは戸室石の石垣ぐらいです。

面積も記憶していた広さよりも狭い感じでした。

建物の数が旧江戸村よりも少ない気がしますが、全て移築されているのかな?

f:id:shannon-wakky:20150810211250j:plain

f:id:shannon-wakky:20150810211316j:plain

f:id:shannon-wakky:20150810211327j:plain

のぞみ札背景の右手は、のぞみ札の御焚き上げで炎が昇る玉泉湖へ至る商店街で、五軒の御宿と総湯『白鷺の湯』が建ち並びます。

湯涌稲荷神社、夢二館、氷室小屋もこちらで、湯乃鷺温泉街にある旅館『喜翆荘』は、右手側の丘の上に在る設定となっていて、芝生広場の場所になります。

f:id:shannon-wakky:20150810211433j:plain

f:id:shannon-wakky:20150810211445j:plain

湯涌温泉の夏のイベントは、初夏の氷室開き、海の日にはぼんぼり点灯式が催されて、……他に浴衣を着てはしゃぐような夏祭りが有ったかな?

兎に角、暑い夏は氷室饅頭を食べて、温泉でさっぱり汗を流して、元気に過ごしましょう。

f:id:shannon-wakky:20150810211553j:plain

f:id:shannon-wakky:20150810211628j:plain

f:id:shannon-wakky:20150810211729j:plain

f:id:shannon-wakky:20150810211751j:plain

f:id:shannon-wakky:20150810211803j:plain

f:id:shannon-wakky:20150810211819j:plain

のぞみ札「深く優しく朝の光を受けて」の製作

オープニングで仕事着の身支度をしながら朝陽の螺旋階段を急ぎ下りる緒花のイメージにしました。

仕事着は二部式の仲居服ではなくて、第六話、第十六話、第十九話で登場した大正浪漫溢れるミルクカフェの女給コスプレです。

あちらこちらの関連画像を切り張りして作った原図の絵的に足りない部分は、『たぶん、こんな感じ』と立体形状を想像して彫り込みました。

彫り込みを終えてホワイトのサーフェスまでスプレーしたのが、昨年の十月初め。

風邪に、帯状疱疹に、出張、一時帰国に旅行と続いて制作意欲が失せてしまい、着色を完了するまでに九ヶ月も費やしてしまいました。

f:id:shannon-wakky:20150801063015j:plain

色を付けたいのに、できないというジレンマのプレッシャーと、バイオリズムが絡むスランプでした。

生活のジャンル毎に二、三年周期で来るスランプなので、モチベーションがアップするまで毎日アニメを観て遣り過ごします。

それでも、配色と着色のイメージが湧かず、塗料瓶と面相筆に触れられない指先を、E-100超重戦車Ⅱと零戦52型丙改のプラモ作りで慣らして、やっと製作の再開ができた次第です。

帰寮後は部屋で風呂に入ってリフレッシュしてから晩飯を自炊し、その後は彫り込みとスプレー掛けなどの雑把な作業を1時間ほど行い、そしてベッドでアニメを観ながら寝てしまいます。

色付けは朝風呂に浸かってから迎えの車が来る午前七時までします。

朝に筆塗りをするのは、疲れ目での作業を避けるのと明るい自然光を得る為で、夜の室内の蛍光灯やLEDの光では暗めの配色になり易いですね。

f:id:shannon-wakky:20150801063101j:plain

f:id:shannon-wakky:20150801063122j:plain

『毎日を元気にぼんぼれて、しっかり稼げますように!』

食生活と健康をちゃんと自己管理して、精密(正確で丁寧で緻密)な仕事で稼ぎますように!です。

f:id:shannon-wakky:20150801063203j:plain

のぞみ札自体が痛絵馬ですが、更に手彫り、手塗りの立体絵馬にして強く痛く願いを込めます。

『深く優しく朝の光を受けて』は、八月中旬の一時帰国で湯涌稲荷神社へ一旦奉納したのち、湯涌バス停前の貴船商店さんに飾られます。

f:id:shannon-wakky:20150801063235j:plain

f:id:shannon-wakky:20150801063250j:plain

五年連続に開催される今年の『湯涌ぼんぼり祭り』の日程です。

 

第五回湯涌ぼんぼり祭り

「ぼんぼり祭り本祭」は、十月十日(土)

 

もう過ぎてしまいましたが「ぼんぼり点灯式」は、七月二十日(月/海の日)でした。

 

アニメ発祥の小さな女の子の神様の神事が末永く続くように、心から願っています。

f:id:shannon-wakky:20150801063358j:plain

f:id:shannon-wakky:20150801063419j:plain

f:id:shannon-wakky:20150801063528j:plain

f:id:shannon-wakky:20150801063543j:plain

f:id:shannon-wakky:20150801063557j:plain

f:id:shannon-wakky:20150801063610j:plain

f:id:shannon-wakky:20150801063629j:plain

ゼロ戦のバブルキャノピー(多い窓枠と平板ガラスを省いてみた)

幼い私が貸し本屋の漫画で初めて見たゼロ戦は、機体全体のフォルムを長くて大きなキャノピーが纏めていて、とても洗練された優しいデザインが美しくて可愛いと感じてしまいました。

その柔らかく丸みを帯びた日本的な機能美が素晴らしく、ゼロ戦の画像や模型を見る度にチョイブスの九六式艦戦から、どんな感性のイメージで十二式艦戦の芯の強いたおやかな美人形に至ったのかと考えてしまいます。

零式艦戦のビューティーポイントはキャノピーに有ります。

機体は理論と経験値から導かれて機能的で優美なデザインに至りますが、大きくても整流されて後方に渦を巻かない空気抵抗の少なさはアバンギャルドでイノベーションです。

P51Dや現在のジェット戦闘機のバブルキャノピーに匹敵する全周視界を確保した大きさの優れたデザインを十二式艦戦で開発したのは、なんて先進的で素晴らしい事でしょう。

f:id:shannon-wakky:20150720235158j:plain

f:id:shannon-wakky:20150720235237j:plain

それにしても、どうして其の閃きに至ったのか考えてしまいます。

ゼロ戦のキャノピーの高さと後方に伸びる大きさには、堀越技師の個人的な拘りが有ったのだろうか?

先に設計した九六式艦戦はオープンの風防だけど、座席に座った時の高さや前の広さはゼロ戦と同じくらいだったのだろうか?

その広さが開放感を好む粋な海軍パイロットに評判が良くて、後方視界の悪さを改善させ、閉じても開放的な広がりを感じさせるゼロ戦のキャノピーのサイズになったのだろうか?

積み重ねて来た設計経験の延長線上のセンスだったのだろうか?

などと、各方面の要求事項の優先度を摺り合わせた結果で、決して設計者個人の事情が主張されたのではなく、寧ろ片隅へ退けられたのだろうと考えてしまいます。

f:id:shannon-wakky:20150720235351j:plain

f:id:shannon-wakky:20150720235420j:plain

このキャノピーを構成するガラス板と枠の多さは終戦まで、なぜ簡略化の改善をされなかったのでしょう?

省いた枠材の二つ分で、一つのキャノピー枠を製作できるのに。

1943年~1945年当時の日本の硝子製造技術で、半強化ガラスと有機ガラスの積層は可能だったと考えられますが、戦争末期の物資不足が逼迫する状況に最期まで、なぜ、多工程で多数の枠と平面ガラスで製作するキャノピーを3部構成の曲面積層ガラスに変更しなかったのでしょう?

自動車のフロントガラスの両脇を支えるピラーでも、横断歩道を渡る人や真横に並ぶ二輪車の発見の遅れや見失ってしまう邪魔な視界の遮りなのに、鳥籠のような枠の多さは気にならなかったのでしょうか?

f:id:shannon-wakky:20150720235513j:plain

f:id:shannon-wakky:20150720235537j:plain

そんな疑問から、ハセガワ1/48零戦52型丙のキャノピーを三分割した曲面ガラス構成にしてみました。

設定は昭和二十年六月下旬の小松基地で出撃を明日に控えた神雷隊の護衛機です。

曲面一体成形の有機ガラスは、旭硝子と藤倉工業の技術協力で小松製作所小松工場にて製造され、風防枠は小松市の大領中町に在る彩雲を製造していた小松航空機製作所が製作を行い、共に飛行場から鉄道の引き込み線が在る小松製作所粟津工場へフラットな木製床の長物貨車で運ばれて組み立てられました。

粟津工場では電気炉でアルミ合金の部材を鋳造までして補強した機首の構造枠へ、主翼から外した二門の13mm機銃を52型乙より10cmも前置きで組み込んだ改造を52型丙に行っていて、その改造機体に試作した新キャノピーが取り付けられました。

機首の二門の13mm機銃装備は、搭乗者の嘆願から基地司令が許可して1機のみ改造されました。

機銃は海軍の三式13mm機銃より陸軍のホ103 12.7mm固定機関砲が短くて軽いのだけど、弾薬も工具も規格が違って使えないという愚の骨頂の極みです。

という架空の設定ですが、これくらいの改造をする余裕も無くて生産工程を短縮できなかった大戦末期の精神主義が暴走する日本が哀憐で残念至極です。

昭和二十年へ戦争を継続させた責任者達を許せないですね。

f:id:shannon-wakky:20150720235737j:plain

f:id:shannon-wakky:20150720235653j:plain

f:id:shannon-wakky:20150720235621j:plain

f:id:shannon-wakky:20150721000813j:plain

f:id:shannon-wakky:20150721000832j:plain

キャノピーの多い枠を省いて機首に二門の13mm機銃を搭載した、実際には無いタイプです。

ハセガワの1/48零戦52型丙のキットを改造しましたから、52型丙改になるのでしょうか。

排気管口や銃口は孔を開け、キャノピーの枠は削り落としてから透明になるまで磨きました。

f:id:shannon-wakky:20150720235844j:plain

f:id:shannon-wakky:20150720235904j:plain

f:id:shannon-wakky:20150721000413j:plain

f:id:shannon-wakky:20150721000517j:plain

一部のデカールを除いて殆どが手塗りで、日の丸は陸軍の防空隊のようにしてみました。

枠省きも、鉢巻日の丸も、思っていたより違和感が無いです。

f:id:shannon-wakky:20150720235751j:plain

f:id:shannon-wakky:20150721000310j:plain

雷電は曲面ガラスを景色が歪むと指摘されて、平面ガラスに変更改修したと資料で読みましたが、工数や部品数を少なくして単純化する製造プロセスで、より多くを量産しなければならない戦況に、優先した平面ガラス構成で増えた枠は量産性を低下させ、戦闘時の視界を妨げる死角にならなかったのだろうか?

この曲面ガラスの何処が歪んで、対象物が大きく? 小さく? 長く? 短く? 霞み? 変形して見えるのだろうか?

夜間飛行で計器盤の仄かな灯りが曲面に反射して、追跡してくる大きな火の玉にでも目えるのだろうか?

それとも、見慣れないだけや、閉じ込められ感が違うみたいな違和感を嫌ったのでしょうか?

曲面化されたガラスで視界が部分的に歪む対象形状の不確かさより、「其処に何かいる」「其処から何か来る」の認識の方が重要で優先されるべきではないのだろうか?

などなど、それら故に敗戦が切迫する戦争末期でも省エネ化しなかったのは納得できないですね。

f:id:shannon-wakky:20150721000708j:plain

PS:

堀越技師によれば、九六式艦戦をゼロ戦よりも快心の作であったと言ったそうですが、その言葉が戦後に語られたのなら、信用できないですね。

戦後にゼロ戦を「好きではなかった」と、どのようなニュアンスで語ったのか分かりませんが、私が『丸』を読み始めた小学生高学年から『軍事研究』も読み出した高校生の頃は、青春期の男女が安保闘争とグループサウンズに熱狂していても、敗戦と侵略の国家イメージと圧し付けられたアメリカン民主主義に、日本の勝利で完結する大戦中の物語を公けに作れなかった時勢で、現在に至っても占領から完全独立を果たしていない日本では、戦犯機に等しいゼロ戦らの大戦機を開発者自らが讃える事を避けていると思います。

そして、いつの時代でも開発エンジニアなら当然、競合相手の技術を凌駕して世界に先駆けたモノを作りたいと考えます。

魁けるモノは必然的にデザインが洗練され、シンプル・イズ・ベストになり、高性能を秘めた美しさを醸し出します。

あの時代、帝大航空学科を卒業して三菱内燃機製造株式会社に入社すれば、軍用機以外の設計開発は有り得ず、他国機を圧倒して華々しく活躍する機体を作りたいと考え、自覚を持って兵器の開発に熱中していたでしょう。

国情が切迫して来れば、尚更、自分の設計に回天を求めていたでしょう。

それは、研究・開発のエンジニアなら当たり前の事です。

それが彼が求めた美しさで、時の日本が得た必然のエンジニアだったと思います。

それと、先鋭エンジニアの理論的技術思考と、原作小説の夢想の果ての悲哀な主人公と、人生が終われば世界も消滅するみたいな己の負の美意識をゴチャ雑ぜにしたアニメ『風立ちぬ』。

f:id:shannon-wakky:20160506223603j:plain

「風立ちぬ、いざ生きめやも」、フランス語の原文は「Le vent se lève, il faut tenter de vivre.」、普通に翻訳すると、「(必ず)風は起きます(から)、生きようとする事(気持ち)が必要です」なのを、何故に理解し難い意味深な日本語にして用いるのだろう?

現在に於いては、勿体振りでオーディエンスを愚弄しているとしか思えない。

そんな纏まりの無い不自然さは、一人称で『私』にすべきところを、あからさまに『堀越二郎』にしたところに有りますね。

その意図は、美しい飛行機が戦争の兵器として産まれ、発展しているのを嘆いているのでしょうが、実に締りが無いです。

ですから、夢で会いましょうのカプローニさんもいただけない。

夢の御告げのようなカプローニさんがいなければ、田舎の屋根の上から飛び立つ妄想が進化しないと言わんばかりです。

前衛的なカプローニさんを、あのようなイメージにして欲しくなかったです。

荘重な三葉翼や複数発動機と美しい旅客機の構想は、寧ろ本庄技師に相応しいのであって、堀越技師の頂を低くなだらかにしてしまっています。

「風立ちぬ」では「Ca-64」のみの登場で良かったと思いますね。

それと、エンジニアを、いくら故人の関係者から許可を得て望まれたからといって、病床に臥せる愛する女性の真横で手を握りながら煙草を吹かすような気遣いも、察しも無い、無神経な人達のように描く事も、語る事もしないで欲しいですし、女性に外見と性格の美しさだけを求める人種にも、しないで貰いたいですね。

愛煙家に対しても、我の強い非情なイメージを与えてしまう侮辱だな。

あの喫煙シーンの多さは、明らかに禁煙へのアンチテーゼでしょうが、余りにも稚拙で短絡的ですね。

煙草を吸う夫に手を握られた瞬間、病魔に侵され毀れてしまう自分を看取られる安らぎよりも、毀れる醜さを避けられる不安の方が大きいと悟っちゃうでしょう。

まったく、理論と経験とセンスに基づいたエンジニアの頑固さを、個人の趣向や主義の頑固さと一緒にしないで貰いたいものです。

f:id:shannon-wakky:20150720234957j:plain

アニメは大好きで、よく何度も観直す事をしていますが、「風立ちぬ」は観直す度に溜め息が出て劣化して行く気がします。

夢も希望も、恋愛も、仕事も、生活も、主義主張も、時代の写しも、成長も、自然な美しさも、全てが中途半端でレクリエムにもなっていないです。

観終わると、いつも救われない感が増してしまいます。

それは『永遠の0』のムービーも同じです。

f:id:shannon-wakky:20150720234801j:plain

寮部屋の机上が撮影ステージです。

A4のコピー用紙を敷き詰めて照明を当てただけの簡易スタジオで、プラモやのぞみ札の製作やレポートにネットも、この机を使っています。

レフ板は面倒なので、代りに白手袋と白いシャツを着けて撮ってます。

f:id:shannon-wakky:20150720234831j:plain

ずぅーと以前、高校1年の時に初めて迷彩塗装までして完成に至れた フジミ1/48フォッケウルフFw190 Aタイプです。

ニューアイテムのピースコンを散々苦労して使いこなしてました。

f:id:shannon-wakky:20151120233107j:plain

こちらは二作目の飛行機モデル、19歳の夏に作ったレベル1/28フォッカーDr.1三葉戦闘機 リヒトホーヘン男爵乗機です。

あれから航空機のモデルはブランク続きで、B17、B24、B29とモーターライズ仕掛けては挫折していましたから、このバブルキャノピーのゼロ戦で三つ目の完成になります。

E-100Ⅱ 超重戦車 (マムート・ツヴァイ)を作ってみた(Dragon Models 1/35を改造)

もう十年も前になりますが、兼ねてから超重戦車E-100の画像を見る度に考えていた事を実行してみました。

f:id:shannon-wakky:20150715062617j:plain

f:id:shannon-wakky:20161009080719j:plain

マウス超重戦車より後に開発されて車体まで完成したE-100には、マウスの砲塔を乗せる計画だったと、どの資料にも記されています。

だけど、ポルシェが開発したマウスの車体へ乗せた砲塔を、発注されたアドラー製作所と協力するヘンシェル社はそのまま使ったでしょうか?

f:id:shannon-wakky:20150715062824j:plainf:id:shannon-wakky:20150715062633j:plain

しかも、モックアップでヒトラーにショットトラップを招くと指摘されているマウスの砲塔の前面下部は、パンターの防盾をG型で顎付にした教訓が全く活かされていません。

これでは、いくら外周の装甲を厚くして100t以上もの重さにしても、砲塔の全面下部で跳弾した敵の大口径徹甲弾が、車体上面の比較的薄い装甲を容易く貫通して撃破されてしまいます。f:id:shannon-wakky:20150715062534j:plain

それに広い前面面積の四角い砲塔デザインはポルシェらしくなく、痛い目に合わされたT34戦車の避弾経始に優れた砲塔形状も参考にしていなくて、末期の情勢なのに無駄なスペースだらけで重量が嵩むだけです。

f:id:shannon-wakky:20161009082122j:plain

f:id:shannon-wakky:20161009082133j:plain

マウスの砲塔の使用を良しとしないヘンシェル社ならば、自社が開発したティーガーⅡから継承する砲塔のデザインは、ポルシェ砲塔の装甲厚をそのままに、ゲテモノっぽくなる75mm砲は無くして砲塔重量を半分近くに軽量化できていたでしょう。

という事で考えを2005年4月に架空のE-100超重戦車 Ⅱ(マムート・ツヴァイ)として形にしてみました。

f:id:shannon-wakky:20150715063208j:plain

砲塔形状はアンブッシュ戦闘で被弾率が高い右側面の装甲板を、左側よりも大きな傾きにしたので、左右非対称です。

これ以上に砲塔をコンパクト化すると、弾頭と装薬に分けてもデカくて重い128mm砲弾は、二人掛かりでも装填するのに困難を極めるというより、無理です。

f:id:shannon-wakky:20150715062648j:plain

また、参見する写真資料の前面装甲板の80mm+60mm+45mm+20mmの合計205mmの合板形状や、手間を掛けているような組み付けと溶接具合から正規仕様ではなくて、『取り敢えず形にしました』みたいな感じがします。

f:id:shannon-wakky:20150720205505j:plain

Eシリーズで用いる装甲板を合わせるよりも、当時既に確立されていた自動溶断システムで200mm厚の一枚鋼板で製作した方が、工程効率とコストパフォーマンスは良いですし、防弾性にも優れているでしょう。

f:id:shannon-wakky:20150702004434j:plain

合板にするのは、粘着榴弾の密着爆発や大口径弾の弾量衝撃で装甲板の内側面が、そのホプキンソン効果のスポール破壊で剥離し、爆発的に飛び散る鉄片によって殺傷や破壊を防ぐ為だったのかも知れませんが、200mmもの厚みなら僅かでもニッケル材を含有させれば、粘る鋼材質でホプキンソン効果を吸収して、被弾箇所の内側面の剥離速度や量を減少させたでしょう。

f:id:shannon-wakky:20150715063106j:plain

という想像と仮説を3D化すべく、当時住んでいた横浜市都筑区のアパートの部屋でドラゴンの1/35モデルを改造して作ってみました。

f:id:shannon-wakky:20150715062900j:plain

ですが、シェイプアップして避弾経始に優れた砲塔を車体に乗っけてみた時点で、製作意欲が薄れてしまい、外観保護にUVカットタイプのライトグレーのサーフェイスを吹き付けたまま放置して十年も経ってしまいました。

f:id:shannon-wakky:20150715062933j:plain

それが今年、2015年5月の初めに『エルベの魔弾』を読み直していたところ、ふとディオラマ化しようと遣る気が再燃しまい、車体の装甲板を不自然さが無い厚みと組み付けを整えたりして、ようやく完成形にする事ができました。f:id:shannon-wakky:20150715063121j:plain

f:id:shannon-wakky:20161009080756j:plain

PS:

改造と仕上げ製作に使用した工具や塗料は全て、中国広東省広州市に在る英利模型から通販で購入しています。

f:id:shannon-wakky:20150715062741j:plainf:id:shannon-wakky:20150715062800j:plain

f:id:shannon-wakky:20150715063731j:plain

品質に問題は無く、価格は日本より少し高めで、注文してから二~三日くらいで届きます。

f:id:shannon-wakky:20150715062913j:plain

ディテールアップのエッチングパーツは、こちらでの入手は難しいので細部の緻密化は出来ていません。

砲塔上のペリスコープは次回の一時帰国で購入する予定で、砲手用以外は入っていないです。

f:id:shannon-wakky:20150702004313j:plain

このマムート・ツヴァイを、1945年5月7日のFerchland村の渡し船乗り場を守る設定でディオラマ(May 7, 1945, the Mammut at Ferchland village.)製作を考えているのですが、まだまだ完成は未定です。

f:id:shannon-wakky:20150715063015j:plain

f:id:shannon-wakky:20150715063048j:plain

f:id:shannon-wakky:20150715063225j:plain

f:id:shannon-wakky:20150702004613j:plain

f:id:shannon-wakky:20150720204837j:plain 

道しるべのぼんぼりに名前が入りました

小さな女の子の神様が神無月に出雲へ帰る道しるべに灯すぼんぼりを、今年の『第4回湯涌ぼんぼり祭り』で個人協賛させていただきました。

『遥乃陽』と記されたぼんぼりは、湯涌稲荷神社正面の扇階段上段踊り場の右側下段角に掲げられています。

『花咲くいろは』から産まれた素敵な『湯涌ぼんぼり祭り』が愛されつづけられて、湯涌の地で末永く催されるように心から祈り願っています。

湯涌の皆様、例年の開催をありがとうございます。

f:id:shannon-wakky:20141010073613j:plain

f:id:shannon-wakky:20141010073625j:plain

f:id:shannon-wakky:20141010073633j:plain

f:id:shannon-wakky:20141010073641j:plain

f:id:shannon-wakky:20141010073648j:plain

f:id:shannon-wakky:20141010073654j:plain

f:id:shannon-wakky:20141010073659j:plain

f:id:shannon-wakky:20141010073705j:plain

のぞみ札『ヒロイン達の怠惰な望み』の製作と奉納

十月四日(土)に湯涌稲荷神社で私事の安息と湯涌温泉の繁栄を願い、湯涌ぼんぼり祭りの盛況を祈って、のぞみ札『ヒロイン達の怠惰な望み』を奉納しました。

絵柄の構図は二年前にカラープリントを貼付けて奉納したのぞみ札と大体同じで、少し深めの彫り込みで製作してみました。

奉納後の『ヒロイン達の怠惰な望み』は湯涌バス停前の商店で展示されています。

展示されると御焚き上げされませんから奉納とは言えないかも知れませんが、ずっと願い続けて欲しいと考えています。

彼女達の怠惰な望みのように、だらだらと頭が痛くなるまで二度寝して、太さも重さも病も気にせずに美味しいものを好きなだけ食べて、飽きるまで好きな事や楽しい事をして、まったりと温泉の湯に浸かってフニャフニャになりたいですね。

女子高校生のヒロイン達が仲居として働く喜翆荘のモデルとなった白雲楼ホテルは、幼い頃の宿泊や寂れ初めの喫茶ルームの珈琲だけの縁ではなくて、生前に金沢菊花園芸協会の理事をしていた祖父が育てたの大輪の菊が、よく品評会で受賞して玄関に飾られていましたし、電力会社を定年で退職した父は前任者の任を引き継いで、電気設備の管理をする電気主任技術者を廃業まで担当していました。

不動産投資による経営不振になるまでは、菊の展覧会や品評会が毎年定例で行われていて廃れムードは有りませんでしたが、バブル景気崩壊後は経営難が加速されて疑惑多きの倒産廃業に到って仕舞いました。

電気設備については、国内のホテルとしては類の無い発電所施設を持ち、湯涌河内町の谷間に落差80mの導水管で二基の発電機を回す水力発電を行い、木柱の送電塔で山越えをしてホテルへ送電していました。

発電施設については、砕石場が在る湯涌板ヶ谷にも在ったとの話も有りますが、父は管理していた施設と設備のリストに無くて、知らないと言っていました。

現在は次回作の『ずっと、ぼんぼれますように』を誠意製作中で、年末の一時帰国時に奉納できると思います。

第四回になる今年の湯涌ぼんぼり祭りも大勢の方に御越しいただいて、無事故・無事件の雅で厳かな祭りになりますよう、そして末永く祭りが継続されて毎年催されるように願い、応援しています。

f:id:shannon-wakky:20141010005249j:plain

f:id:shannon-wakky:20141010005535j:plain

f:id:shannon-wakky:20141010005453j:plain

f:id:shannon-wakky:20141010005600j:plain

f:id:shannon-wakky:20141010005612j:plain

f:id:shannon-wakky:20141010005709j:plain

f:id:shannon-wakky:20141010005744j:plain

f:id:shannon-wakky:20141010013110j:plain

f:id:shannon-wakky:20141010005828j:plain

f:id:shannon-wakky:20141010010047j:plain