55年の付き合いが有る友人の依頼で、HASEGAWAの1:72 Sd.kfz.234/3 8輪重装甲偵察車シュツンメルをジオラマ化して製作しました。
キットは其の儘で組み立てました。
1:72スケールの細部へ捻りを加えるのは面倒臭いので、フィギュアのポーズを変更しただけです。
ベースは最安値の軽い粘土で緩い斜面の地形と泥濘んで深い轍だらけの道路を表現しています。
斜面の草原は蚊取り線香の灰を固めた上に鉄道模型用のシーナリーマット(秋期)から削いだ毛を木工ボンドで接着しています。
蚊取り線香の灰を用いているのは、1:72や1:144のスケールに合う小ささの土素材が無かった為です。
ベースに車体を固定しながらMr.ウェザリングペーストのマットブラウンをタイヤに付けて粘りの強い土壌を感じる様にしました。
情景の設定は1944年4月末のウクライナとポーランドの国境付近で、ソ連軍の大攻勢にドイツ軍は後退に次ぐ後退を繰り返し、とうとうソ連へ侵攻を開始したポーランド国境まで押し戻されて仕舞いました。
延々と続く泥濘の幹線道路でオーバーヒートするエンジンに、幹線道路から逸れた脇道で停止して冷却を行うシュツンメルです。
車上に腰かけて辺りの動きを警戒する彼は、水と食料を求めて探索に行った他の乗員の帰りを待っているのです。