遥乃陽 blog

創作と改造のプライベートな趣味の世界 『遥乃陽 blog』の他に『遥乃陽 diary 』と『遥乃陽 novels 』も有ります

遣りたい事がたくさん! いつもバイオリズムとモチベーション次第。

ゼロ戦のバブルキャノピー(多い窓枠と平板ガラスを省いてみた)

幼い私が貸し本屋の漫画で初めて見たゼロ戦は、機体全体のフォルムを長くて大きなキャノピーが纏めていて、とても洗練された優しいデザインが美しくて可愛いと感じてしまいました。

その柔らかく丸みを帯びた日本的な機能美が素晴らしく、ゼロ戦の画像や模型を見る度にチョイブスの九六式艦戦から、どんな感性のイメージで十二式艦戦の芯の強いたおやかな美人形に至ったのかと考えてしまいます。

零式艦戦のビューティーポイントはキャノピーに有ります。

機体は理論と経験値から導かれて機能的で優美なデザインに至りますが、大きくても整流されて後方に渦を巻かない空気抵抗の少なさはアバンギャルドでイノベーションです。

P51Dや現在のジェット戦闘機のバブルキャノピーに匹敵する全周視界を確保した大きさの優れたデザインを十二式艦戦で開発したのは、なんて先進的で素晴らしい事でしょう。

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それにしても、どうして其の閃きに至ったのか考えてしまいます。

ゼロ戦のキャノピーの高さと後方に伸びる大きさには、堀越技師の個人的な拘りが有ったのだろうか?

先に設計した九六式艦戦はオープンの風防だけど、座席に座った時の高さや前の広さはゼロ戦と同じくらいだったのだろうか?

その広さが開放感を好む粋な海軍パイロットに評判が良くて、後方視界の悪さを改善させ、閉じても開放的な広がりを感じさせるゼロ戦のキャノピーのサイズになったのだろうか?

積み重ねて来た設計経験の延長線上のセンスだったのだろうか?

などと、各方面の要求事項の優先度を摺り合わせた結果で、決して設計者個人の事情が主張されたのではなく、寧ろ片隅へ退けられたのだろうと考えてしまいます。

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このキャノピーを構成するガラス板と枠の多さは終戦まで、なぜ簡略化の改善をされなかったのでしょう?

省いた枠材の二つ分で、一つのキャノピー枠を製作できるのに。

1943年~1945年当時の日本の硝子製造技術で、半強化ガラスと有機ガラスの積層は可能だったと考えられますが、戦争末期の物資不足が逼迫する状況に最期まで、なぜ、多工程で多数の枠と平面ガラスで製作するキャノピーを3部構成の曲面積層ガラスに変更しなかったのでしょう?

自動車のフロントガラスの両脇を支えるピラーでも、横断歩道を渡る人や真横に並ぶ二輪車の発見の遅れや見失ってしまう邪魔な視界の遮りなのに、鳥籠のような枠の多さは気にならなかったのでしょうか?

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そんな疑問から、ハセガワ1/48零戦52型丙のキャノピーを三分割した曲面ガラス構成にしてみました。

設定は昭和二十年六月下旬の小松基地で出撃を明日に控えた神雷隊の護衛機です。

曲面一体成形の有機ガラスは、旭硝子と藤倉工業の技術協力で小松製作所小松工場にて製造され、風防枠は小松市の大領中町に在る彩雲を製造していた小松航空機製作所が製作を行い、共に飛行場から鉄道の引き込み線が在る小松製作所粟津工場へフラットな木製床の長物貨車で運ばれて組み立てられました。

粟津工場では電気炉でアルミ合金の部材を鋳造までして補強した機首の構造枠へ、主翼から外した二門の13mm機銃を52型乙より10cmも前置きで組み込んだ改造を52型丙に行っていて、その改造機体に試作した新キャノピーが取り付けられました。

機首の二門の13mm機銃装備は、搭乗者の嘆願から基地司令が許可して1機のみ改造されました。

機銃は海軍の三式13mm機銃より陸軍のホ103 12.7mm固定機関砲が短くて軽いのだけど、弾薬も工具も規格が違って使えないという愚の骨頂の極みです。

という架空の設定ですが、これくらいの改造をする余裕も無くて生産工程を短縮できなかった大戦末期の精神主義が暴走する日本が哀憐で残念至極です。

昭和二十年へ戦争を継続させた責任者達を許せないですね。

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キャノピーの多い枠を省いて機首に二門の13mm機銃を搭載した、実際には無いタイプです。

ハセガワの1/48零戦52型丙のキットを改造しましたから、52型丙改になるのでしょうか。

排気管口や銃口は孔を開け、キャノピーの枠は削り落としてから透明になるまで磨きました。

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一部のデカールを除いて殆どが手塗りで、日の丸は陸軍の防空隊のようにしてみました。

枠省きも、鉢巻日の丸も、思っていたより違和感が無いです。

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雷電は曲面ガラスを景色が歪むと指摘されて、平面ガラスに変更改修したと資料で読みましたが、工数や部品数を少なくして単純化する製造プロセスで、より多くを量産しなければならない戦況に、優先した平面ガラス構成で増えた枠は量産性を低下させ、戦闘時の視界を妨げる死角にならなかったのだろうか?

この曲面ガラスの何処が歪んで、対象物が大きく? 小さく? 長く? 短く? 霞み? 変形して見えるのだろうか?

夜間飛行で計器盤の仄かな灯りが曲面に反射して、追跡してくる大きな火の玉にでも目えるのだろうか?

それとも、見慣れないだけや、閉じ込められ感が違うみたいな違和感を嫌ったのでしょうか?

曲面化されたガラスで視界が部分的に歪む対象形状の不確かさより、「其処に何かいる」「其処から何か来る」の認識の方が重要で優先されるべきではないのだろうか?

などなど、それら故に敗戦が切迫する戦争末期でも省エネ化しなかったのは納得できないですね。

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PS:

堀越技師によれば、九六式艦戦をゼロ戦よりも快心の作であったと言ったそうですが、その言葉が戦後に語られたのなら、信用できないですね。

戦後にゼロ戦を「好きではなかった」と、どのようなニュアンスで語ったのか分かりませんが、私が『丸』を読み始めた小学生高学年から『軍事研究』も読み出した高校生の頃は、青春期の男女が安保闘争とグループサウンズに熱狂していても、敗戦と侵略の国家イメージと圧し付けられたアメリカン民主主義に、日本の勝利で完結する大戦中の物語を公けに作れなかった時勢で、現在に至っても占領から完全独立を果たしていない日本では、戦犯機に等しいゼロ戦らの大戦機を開発者自らが讃える事を避けていると思います。

そして、いつの時代でも開発エンジニアなら当然、競合相手の技術を凌駕して世界に先駆けたモノを作りたいと考えます。

魁けるモノは必然的にデザインが洗練され、シンプル・イズ・ベストになり、高性能を秘めた美しさを醸し出します。

あの時代、帝大航空学科を卒業して三菱内燃機製造株式会社に入社すれば、軍用機以外の設計開発は有り得ず、他国機を圧倒して華々しく活躍する機体を作りたいと考え、自覚を持って兵器の開発に熱中していたでしょう。

国情が切迫して来れば、尚更、自分の設計に回天を求めていたでしょう。

それは、研究・開発のエンジニアなら当たり前の事です。

それが彼が求めた美しさで、時の日本が得た必然のエンジニアだったと思います。

それと、先鋭エンジニアの理論的技術思考と、原作小説の夢想の果ての悲哀な主人公と、人生が終われば世界も消滅するみたいな己の負の美意識をゴチャ雑ぜにしたアニメ『風立ちぬ』。

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「風立ちぬ、いざ生きめやも」、フランス語の原文は「Le vent se lève, il faut tenter de vivre.」、普通に翻訳すると、「(必ず)風は起きます(から)、生きようとする事(気持ち)が必要です」なのを、何故に理解し難い意味深な日本語にして用いるのだろう?

現在に於いては、勿体振りでオーディエンスを愚弄しているとしか思えない。

そんな纏まりの無い不自然さは、一人称で『私』にすべきところを、あからさまに『堀越二郎』にしたところに有りますね。

その意図は、美しい飛行機が戦争の兵器として産まれ、発展しているのを嘆いているのでしょうが、実に締りが無いです。

ですから、夢で会いましょうのカプローニさんもいただけない。

夢の御告げのようなカプローニさんがいなければ、田舎の屋根の上から飛び立つ妄想が進化しないと言わんばかりです。

前衛的なカプローニさんを、あのようなイメージにして欲しくなかったです。

荘重な三葉翼や複数発動機と美しい旅客機の構想は、寧ろ本庄技師に相応しいのであって、堀越技師の頂を低くなだらかにしてしまっています。

「風立ちぬ」では「Ca-64」のみの登場で良かったと思いますね。

それと、エンジニアを、いくら故人の関係者から許可を得て望まれたからといって、病床に臥せる愛する女性の真横で手を握りながら煙草を吹かすような気遣いも、察しも無い、無神経な人達のように描く事も、語る事もしないで欲しいですし、女性に外見と性格の美しさだけを求める人種にも、しないで貰いたいですね。

愛煙家に対しても、我の強い非情なイメージを与えてしまう侮辱だな。

あの喫煙シーンの多さは、明らかに禁煙へのアンチテーゼでしょうが、余りにも稚拙で短絡的ですね。

煙草を吸う夫に手を握られた瞬間、病魔に侵され毀れてしまう自分を看取られる安らぎよりも、毀れる醜さを避けられる不安の方が大きいと悟っちゃうでしょう。

まったく、理論と経験とセンスに基づいたエンジニアの頑固さを、個人の趣向や主義の頑固さと一緒にしないで貰いたいものです。

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アニメは大好きで、よく何度も観直す事をしていますが、「風立ちぬ」は観直す度に溜め息が出て劣化して行く気がします。

夢も希望も、恋愛も、仕事も、生活も、主義主張も、時代の写しも、成長も、自然な美しさも、全てが中途半端でレクリエムにもなっていないです。

観終わると、いつも救われない感が増してしまいます。

それは『永遠の0』のムービーも同じです。

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寮部屋の机上が撮影ステージです。

A4のコピー用紙を敷き詰めて照明を当てただけの簡易スタジオで、プラモやのぞみ札の製作やレポートにネットも、この机を使っています。

レフ板は面倒なので、代りに白手袋と白いシャツを着けて撮ってます。

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ずぅーと以前、高校1年の時に初めて迷彩塗装までして完成に至れた フジミ1/48フォッケウルフFw190 Aタイプです。

ニューアイテムのピースコンを散々苦労して使いこなしてました。

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こちらは二作目の飛行機モデル、19歳の夏に作ったレベル1/28フォッカーDr.1三葉戦闘機 リヒトホーヘン男爵乗機です。

あれから航空機のモデルはブランク続きで、B17、B24、B29とモーターライズ仕掛けては挫折していましたから、このバブルキャノピーのゼロ戦で三つ目の完成になります。

E-100Ⅱ 超重戦車 (マムート・ツヴァイ)を作ってみた(Dragon Models 1/35を改造)

もう十年も前になりますが、兼ねてから超重戦車E-100の画像を見る度に考えていた事を実行してみました。

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マウス超重戦車より後に開発されて車体まで完成したE-100には、マウスの砲塔を乗せる計画だったと、どの資料にも記されています。

だけど、ポルシェが開発したマウスの車体へ乗せた砲塔を、発注されたアドラー製作所と協力するヘンシェル社はそのまま使ったでしょうか?

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しかも、モックアップでヒトラーにショットトラップを招くと指摘されているマウスの砲塔の前面下部は、パンターの防盾をG型で顎付にした教訓が全く活かされていません。

これでは、いくら外周の装甲を厚くして100t以上もの重さにしても、砲塔の全面下部で跳弾した敵の大口径徹甲弾が、車体上面の比較的薄い装甲を容易く貫通して撃破されてしまいます。f:id:shannon-wakky:20150715062534j:plain

それに広い前面面積の四角い砲塔デザインはポルシェらしくなく、痛い目に合わされたT34戦車の避弾経始に優れた砲塔形状も参考にしていなくて、末期の情勢なのに無駄なスペースだらけで重量が嵩むだけです。

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マウスの砲塔の使用を良しとしないヘンシェル社ならば、自社が開発したティーガーⅡから継承する砲塔のデザインは、ポルシェ砲塔の装甲厚をそのままに、ゲテモノっぽくなる75mm砲は無くして砲塔重量を半分近くに軽量化できていたでしょう。

という事で考えを2005年4月に架空のE-100超重戦車 Ⅱ(マムート・ツヴァイ)として形にしてみました。

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砲塔形状はアンブッシュ戦闘で被弾率が高い右側面の装甲板を、左側よりも大きな傾きにしたので、左右非対称です。

これ以上に砲塔をコンパクト化すると、弾頭と装薬に分けてもデカくて重い128mm砲弾は、二人掛かりでも装填するのに困難を極めるというより、無理です。

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また、参見する写真資料の前面装甲板の80mm+60mm+45mm+20mmの合計205mmの合板形状や、手間を掛けているような組み付けと溶接具合から正規仕様ではなくて、『取り敢えず形にしました』みたいな感じがします。

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Eシリーズで用いる装甲板を合わせるよりも、当時既に確立されていた自動溶断システムで200mm厚の一枚鋼板で製作した方が、工程効率とコストパフォーマンスは良いですし、防弾性にも優れているでしょう。

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合板にするのは、粘着榴弾の密着爆発や大口径弾の弾量衝撃で装甲板の内側面が、そのホプキンソン効果のスポール破壊で剥離し、爆発的に飛び散る鉄片によって殺傷や破壊を防ぐ為だったのかも知れませんが、200mmもの厚みなら僅かでもニッケル材を含有させれば、粘る鋼材質でホプキンソン効果を吸収して、被弾箇所の内側面の剥離速度や量を減少させたでしょう。

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という想像と仮説を3D化すべく、当時住んでいた横浜市都筑区のアパートの部屋でドラゴンの1/35モデルを改造して作ってみました。

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ですが、シェイプアップして避弾経始に優れた砲塔を車体に乗っけてみた時点で、製作意欲が薄れてしまい、外観保護にUVカットタイプのライトグレーのサーフェイスを吹き付けたまま放置して十年も経ってしまいました。

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それが今年、2015年5月の初めに『エルベの魔弾』を読み直していたところ、ふとディオラマ化しようと遣る気が再燃しまい、車体の装甲板を不自然さが無い厚みと組み付けを整えたりして、ようやく完成形にする事ができました。f:id:shannon-wakky:20150715063121j:plain

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PS:

改造と仕上げ製作に使用した工具や塗料は全て、中国広東省広州市に在る英利模型から通販で購入しています。

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品質に問題は無く、価格は日本より少し高めで、注文してから二~三日くらいで届きます。

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ディテールアップのエッチングパーツは、こちらでの入手は難しいので細部の緻密化は出来ていません。

砲塔上のペリスコープは次回の一時帰国で購入する予定で、砲手用以外は入っていないです。

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このマムート・ツヴァイを、1945年5月7日のFerchland村の渡し船乗り場を守る設定でディオラマ(May 7, 1945, the Mammut at Ferchland village.)製作を考えているのですが、まだまだ完成は未定です。

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道しるべのぼんぼりに名前が入りました

小さな女の子の神様が神無月に出雲へ帰る道しるべに灯すぼんぼりを、今年の『第4回湯涌ぼんぼり祭り』で個人協賛させていただきました。

『遥乃陽』と記されたぼんぼりは、湯涌稲荷神社正面の扇階段上段踊り場の右側下段角に掲げられています。

『花咲くいろは』から産まれた素敵な『湯涌ぼんぼり祭り』が愛されつづけられて、湯涌の地で末永く催されるように心から祈り願っています。

湯涌の皆様、例年の開催をありがとうございます。

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のぞみ札『ヒロイン達の怠惰な望み』の製作と奉納

十月四日(土)に湯涌稲荷神社で私事の安息と湯涌温泉の繁栄を願い、湯涌ぼんぼり祭りの盛況を祈って、のぞみ札『ヒロイン達の怠惰な望み』を奉納しました。

絵柄の構図は二年前にカラープリントを貼付けて奉納したのぞみ札と大体同じで、少し深めの彫り込みで製作してみました。

奉納後の『ヒロイン達の怠惰な望み』は湯涌バス停前の商店で展示されています。

展示されると御焚き上げされませんから奉納とは言えないかも知れませんが、ずっと願い続けて欲しいと考えています。

彼女達の怠惰な望みのように、だらだらと頭が痛くなるまで二度寝して、太さも重さも病も気にせずに美味しいものを好きなだけ食べて、飽きるまで好きな事や楽しい事をして、まったりと温泉の湯に浸かってフニャフニャになりたいですね。

女子高校生のヒロイン達が仲居として働く喜翆荘のモデルとなった白雲楼ホテルは、幼い頃の宿泊や寂れ初めの喫茶ルームの珈琲だけの縁ではなくて、生前に金沢菊花園芸協会の理事をしていた祖父が育てたの大輪の菊が、よく品評会で受賞して玄関に飾られていましたし、電力会社を定年で退職した父は前任者の任を引き継いで、電気設備の管理をする電気主任技術者を廃業まで担当していました。

不動産投資による経営不振になるまでは、菊の展覧会や品評会が毎年定例で行われていて廃れムードは有りませんでしたが、バブル景気崩壊後は経営難が加速されて疑惑多きの倒産廃業に到って仕舞いました。

電気設備については、国内のホテルとしては類の無い発電所施設を持ち、湯涌河内町の谷間に落差80mの導水管で二基の発電機を回す水力発電を行い、木柱の送電塔で山越えをしてホテルへ送電していました。

発電施設については、砕石場が在る湯涌板ヶ谷にも在ったとの話も有りますが、父は管理していた施設と設備のリストに無くて、知らないと言っていました。

現在は次回作の『ずっと、ぼんぼれますように』を誠意製作中で、年末の一時帰国時に奉納できると思います。

第四回になる今年の湯涌ぼんぼり祭りも大勢の方に御越しいただいて、無事故・無事件の雅で厳かな祭りになりますよう、そして末永く祭りが継続されて毎年催されるように願い、応援しています。

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のぞみ札『アスナの願い』の修復完了

『アスナの願い』は、神社境内ののぞみ札掛けで越冬した為に罅や剥げの損傷を受けていましたが、修復が終了して今は商店に展示されています。

一月下旬から四月中旬までの僅かな間なのに、冬から春への寒暖や昼夜の温度差で膨張収縮した木材質による塗装面の罅割れと、寒風に舞い振れての接触による縁部や角部の塗装の剥離脱落が発生していました。

スプレー吹きによる艶消しのUV Cutの皮膜は、色褪せを防ぐだけで材質の収縮には効果が有りません。

対策としては、ソフビ用の塗料を使えば四季の寒暖に耐え得るかもと考えています。

既に屋内展示になっていますが、いずれソフビ用の塗料を入手して耐久テストをするつもりです。

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Nゲージでラピュタの鉱山鉄道ぽいのを作ろうとした

以前に『綺麗!』とか『可愛い!』と買い集めてしまったドイツの鉄道模型メーカー『フライシュマン』のNゲージ、『ピッコロ』シリーズの車両達を走らせたいと思い、レイアウトの製作を試みてしまいました。

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これは京都に単身赴任していた時に製作していたレイアウトで、構想及び平日の帰宅後と週末のギコギコ、ペタペタの作りで、写真の状態まで二ヶ月掛かっています。

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ラピュタ風の渓谷鉱山町で立体的なグルグルに走らせたいと考え、二重螺旋の四周ループで線路をアップダウンさせて更に、最上層には単純ループするだけの線路を設けて見掛け上の高低差を強調させました。

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螺旋ループは心配していたスリップや脱線が無くて、どの連結軌道もスムーズに登り降りしてくれましたし、トンネル内の立体交差にも問題は有りませんでした。

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そして、ここから谷底・橋桁・絶壁面・高地をパイピングだらけの工場群と石造りの住宅のストラクチャーで埋め尽くし、工場棟内の作業でスパークする光や街頭などの灯りに、トンネルや屋内の照明も付けて、高地から暗い渓谷へドライアイスの霧が降るようにする予定でした。

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ですが、京都の事業所を退職して新横浜への単身赴任とした為に、製作途中のレイアウトは自宅の部屋に一時預けとなってしまいます。

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なのに、仕事上の都合で中国の事業群へ移籍してしまい、レイアウトの製作を再開するのが困難な状況に陥りました。

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しょうがないので一時帰国の度にチョコチョコ作ろうかと思っていましたが、実際の帰国時には全く時間が足りず、それに狭い自室に作業を行うスペースの余裕も無く、かといって中国へ運ぶのは問題が多過ぎでした。

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で、そのままにしていたところ、掃除の邪魔になるとパートナーに分解廃棄されてしまいました。

幸いに車両と線路とストラクチャーは丁寧に取り外され、きちんと保管されていたので大丈夫でしたが、レイアウトの部材はゴミ出し待ちの破片状態でした。

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まあ、製作ノウハウを得た事ですし、レイアウトは更に計画的な緻密さで次回は速く作れますから諦めも付きます。

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いつになるか分かりませんが、趣味のモノが溢れる自室を整理して作業スペースを確保すれば、後はモチベーション次第で新たなもっとグチャグチャゴテゴテしたレイアウトを作れる事でしょう。

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のぞみ札を浮き彫りにして着色しました

『のぞみ札』にレリーフを彫り込み、着色する製作過程の紹介です。

1:

『のぞみ札』の平面形状の外枠ラインを、プリントして実寸になるようにパソコンでエクセルソフトを使って作成します。

2:

『のぞみ札』に描く図柄のレイアウトや大きさをバランスに気を付けて、エクセルソフトで作成します。

3:

『のぞみ札』の表面全体(表、裏、側面、上面、底面、紐穴面)にトップコートの艶消しのスーパークリアのUVカットタイプ(使っているのは、『Mr. SUPER CLEAR UV Cut つや消し FLAT』です)をスプレーして、防水と紫外線による色褪せ対策を施します。

彫り込む裏面は1回の吹き付けでよいですが、その他の面は噴き付け後に乾燥させながら3回は重ね噴きして下さい。

4:

作成した図柄は『のぞみ札』のサイズにカラープリントして、クリアを十分に乾かした『のぞみ札』の御願いを書く裏面へ、小学校の文具に使う普通のステック糊で貼り付けます。

5:

完全に糊が乾いて図柄が『のぞみ札』へ貼り付いたのを確認すると、彫り込みを開始です。

彫り込みに用いる彫刻刀は図工教材の五本組み等の市販品で十分ですが、使っているのは平刃と剣刃のみで、その刃幅は平刃と剣刃とも3mmほどに小さくしています。

『のぞみ札』の木材は、たぶん、良く乾燥された樅の木と思われて軟らかく、切り削りは楽です。

ただ、年輪の夏季に形成される色の濃い部分は比較的に硬いので、彫刻刀の刃が滑り易く、切っ先も潰れて切れ難くなりますから、削り過ぎや怪我をしないように気を付けます。

また、刃を送る方向の延長に指や肌を置くと、切ったり、刺したりする怪我の原因になります。

そして、切れ味が衰えた刃は、時々油目の砥石で研ぎ直さなければなりません。

刃が欠けると、グラインダーやダイヤモンドやすりで刃形状全体を成形し直しします。

彫り込みは背景などの一番深くなる部分から、3Dイメージを掴みながら行います。

彫り込みや面の仕上げは、平、三角、丸のダイヤモンドやすりで整えてから、#240、#320、#400、#600、#800のサンドペーパー(紙タイプ)を使い分けて滑らかにします。

カメオなどのレリーフ彫りは奥行きの有る重ね浮かしに成るように深く彫り込みますが、初めての試みならば、明るい部分を平面で残し影や形の境目を斜面や溝で彫るだけの沈み彫りにした方が経験値になるでしょう。

6:

彫り込みが仕上がると、次は着色です。

最初に側面周囲と表面をマスキングテープで覆ってから、下地剤のサーフェイス、半光沢のホワイトのスプレーを均一に、噴き掛けの残しが無い様に2回の噴き重ねします。

7:

色塗りは、塗りの乗りと伸びが良いエナメルカラー(タミヤのエナメルカラー)を使い、深い面やイメージを掴みたい部分から、明るい肌色、輪郭、瞳、影、ハイライトと順に塗り重ねて、細部の食み出しと形を修正します。

筆は、細い面相筆と平筆の二種類を同系色(白と肌色だけは専用筆にして)で分けて使っています。

8:

願い事などの文字を書き込み、着色が全て乾くと、最後に表面や側面周囲に施したのと同じスプレーをトップコートで3回ほど重ね噴きすれば完成です。

色塗りでの気になる塗りムラや筆遣い跡などのは、艶消しのトップコートでフラットな塗りに見えるようになります。

9:

完成後も気に入らない部分は、削った、塗ったで修正しています。

 

製作所要時間は、モチーフ選び・構図・エクセル作業・プリント貼り付けで1週間、彫り込みに1週間、着色に1週間って感じで、平日は帰宅後と早朝にチマチマ彫って週末にザクザク仕上げてから、チョコチョコ塗って週末にベタベタ塗り上げるという作業パターンによって、完成に3週間を要してます。

でも、『私、輝きたいんです』だけが、デザインを欲張ったのとハイレリーフにした為に4週間も掛かってしまいました。

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