遥乃陽 blog

創作と改造のプライベートな趣味の世界

遣りたい事がたくさん! いつもバイオリズムとモチベーション次第。

サボイアS.21F『改』試作戦闘飛行艇 (決闘後に改修した機体)

二十代後半に観た『うる星やつら』の劇場版アニメ『ビューティフル・ドリーマー』で限りなく同心円に近い毎日に気付かされて疑問を持ち、三十代前半で観た『紅の豚』で年功序列の会社勤めから離脱を決意しました。

以後、今日まで業界のマイナー処をハンティングされながら移籍し続けて、現在十一社目です。

『ビューティフル・ドリーマー』を十八歳で観て、『紅の豚』を二十歳辺りに観ていれば、もっと早く世界へ挑戦して自分を試し、今以上のグローバルな経験と発想を得ていたと思うくらい、私にとっては人生のターニングポイントになったアニメでした。

『カッコイイとは、こういうことさ!』に感化されて魅了した赤い単発飛行艇は、ゼロ戦レッド的に粋でしたね。

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カーチスとの決闘の半年くらい後の機体という勝手な設定です。

個人を否定する共産主義と生活と思想を統率しようとする社会主義を排除した、結束(ファッショ:日本的な解釈だと、毛利元就の三本の矢)の意味のファシスト党(実際は国粋主義者の集まり)が、全体主義や軍国主義の独裁体制を帯びて固有の否定を徹底し始めた1930年前後、アドリア海沿岸がファシズムに染まる中、ポルコ・ロッソは尚も頑なに自由奔放・放埓の日々を守るアウトローを貫こうとしていた。

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高出力エンジンに換装されて機体を改修したサボイアS.21Fを、当時の先進的発想で更に改修してみました。

改造製作に使用したキットは、ファインモールドの1/48 サボイアS.21F試作戦闘飛行艇後期型です。

更なる改修といっても、プロペラを三枚にいしてエアインテークと冷却のスリットを増やし、エキゾーストパイプをバラけさせて、エンジンカウル後方に発生するトルネードを吹き飛ばすロケット効果を狙っただけです。

急旋回で雲を引くヴェーパーの翼端失速の発生を防ぐ為に、翼の前縁も翼端へ行くに従って下方への捻りを加えましたが、何か比較がないと写真では見分けが付かないですね。

これ以上は、機体の構造デザインが華奢なので無理でしょう。

三枚ペラにすると回転トルクでロールが強くなって、より左側が水面に張り付いちゃいますが、エルロン角度を調整するタブで離水させたフィオ・ピッコロですから何とかすると思います。

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イタリアンレッド主体のカラーリングは、キナ臭いファシスト政権への時代の流れとはいえ、交誼が有るイタリア空軍からの攻撃を避ける為に、主翼上面にも幅を広げた三色の国籍マークを施しました。

また、フロートの下面色はワニスを刷毛塗りした木肌色から、当事既に普及していた樹脂塗料のラッカー系で、より衝撃に強くて防水と撥水に優れたタイプが開発されて、離着の水面離れと着水の滑らかさの為にスプレー塗装したという設定で、ホワイトにしてみました。

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それにしても、この機体、前方視界が悪過ぎだ。

フロートの胴体の下方視界の遮りは、一般的な単座機と翼を支えるピラー以外は同じだとしても、上方は左右まで翼に因って塞がれています。

水平や下方は見渡せますが、前方斜め上方からは容易に接近を許し、激しく機位が移る巴戦では直ぐに相手機をロストして回り込まれてしまうでしょう。

(この最大の弱点は『飛行艇時代』第2話の2ページ最下段で、パイロットのマルコ・パゴット中尉自身が語られています)

『水が、へばりつきやがる』

と、彼が愚痴るくらい離水時の水面離れも難しいみたいです。

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タイトな面積で何の捻りも無く更に0.5後退角を増やされた水平な主翼は、エルロンを少し大きくしないと機動旋回で失速して錐揉み墜落するんじゃないかな。

それにトップヘビーなエンジンと翼配置は、翼内と胴体内にピラーと接続するフレームを設けなければ、振動や風圧やGで空中分解しそうです。

こんなデリケートで過激な機体は、インスピレーションが多彩に有るポルコならではの扱いの左捻り込みなんですね。

若い自信家のカーチスなら、散々ブーたれて見事に着水するでしょうが、空賊連中は誰一人として離水できないでしょう。

エンジンがロールス・ロイス ケストレルやフォルゴーレに換装された機体は、カーチスとのイベント後に追加改修が必要と思われ、きっとフィオのセンスと性格なら弄っていますね。

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兎に角、機体は戦闘艇と呼べる代物じゃないです。

アニメは、正面から見て右回転するプロペラのモーメントで左翼が水面から離れない。

そして、左の捻り込みが得意技。

これは辻褄が合っているのか?

1/48キットのプロペラは、正面から見て左回転します。

前方の索敵が困難、翼端の失速、離水に時間が掛かる、機体の強度に不安など、戦闘飛行艇としては致命的な欠陥だらけですね。f:id:shannon-wakky:20150907063457j:plainf:id:shannon-wakky:20150907064335j:plain

垂直尾翼のエンブレムの『R』の横には、

『私は今もポルチェリーノのパートナーで、25歳になっても気が変わらないと思うわ。この「F」の青色はねぇ、明るく透明な空のスカイブルーとダルマチア諸島(スカファ諸島)の海のコバルトブルーを混ぜ合わせたのよ。そう、ときめきの大空と安らぎの海原の狭間を飛ぶ紅い戦闘飛行艇を優しく包むアドリア・ブルーなの』

と、フィオが少し小振りのアドリア・ブルーの『F』を寄り添うように描き込んでいる。

ポルチェリーノとは、ピッコロ社で曲面板金加工をする御婆ちゃん達が、ポルコをそう呼んでますね。

意味は子豚なので、親しげに『私の可愛い子豚ちゃん』って感じに言ってます。

初期ストーリーでは、ポルコの名がポルチェリーノでした。

ポルコにラブなフィオも、呼び掛けがポルコから愛しさと敬いを込めてポルチェリーノと変わるのは自然でしょう。

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ポルコの豚の容姿はマルコにとって、ペルソナのような素顔隠しなのでしょうか?

人間に戻っても、同じ信条と素行で生きて行くのでしょうか?

ポルコに恋をしたフィオは、人間に戻って欲しいと願っていますから、マルコを豚の時と変わらずに……、いや、それ以上に愛してくれると思います。

上空の空中戦を見守っているフィオは、

「あの野郎、最後まで撃たねぇつもりなんだ」

「豚は殺しはやらねぇんだ」

「そこだ! 撃て! あっ、やっぱり撃たねぇ」

「相手がヨレておとなしくなってから、エンジンに2、3発当ててケリをつける気なんだよ」

「戦争じゃねぇとか何とか、キザでイヤな野郎だぜ!」

と、マンマユートのボスが言い続けるのを聞いて、

『ずーっと高いところを不思議な雲がひとすじ流れている』の話をするポルコの気持ちに想いを馳せつつ、『ポルコなら大丈夫』と、微塵も不安を抱かなかったのでしょうか?

それとも、万に一つになってもポルコはローストポークにならなくて、機体の白帯にキューピットの矢で射抜かれたハートマークを描き込んで来るカーチスは、『きっと優しくて、私を大切にしてくれるわ』って諦めも過ぎっているのでしょうか?

ポルコの負けのリスクをグンと高める拘りは、借金を抱えたまま、専属になるだろう大事なメカニックで想いを寄せてくれる大切なパートナーの女性を失う重大な過失要因になるのです。

取り返しがつかないし、アラバマは遠いし、ファーストレディになったら簡単に会えないだろうなぁ。

カーチスはポルコのような配慮をしていないようなので、そこんところは、やはり、心を鬼にしてトリガー引いて貰いたいですね。

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フィオといえば、あの1920年代の製図にアーム式のドラフターは有ったのかな?

梯子形平行アーム式やリートフェルトの平行定規が最新で、カウンターウエイト仕様などのアーム式ドラフターが使われるのは1935年頃からのようですが、誰かがアメリカやヨーロッパの何処かで試作的なのを作り、それをフォオが見ていて、ミラノの工房で作らせたのかも知れませんね。

まだ高価なケント紙は町工場で余り使っていなくて、図面はトレース紙に鉛筆で描いたままか、カラス口で墨入れしてから青焼きの青地に黄色線、又はシロ焼きの黄ばんだ地に紺色の線でした。

(安価で、汚れに強く、掠れ難い:別名 青写真)

でも、漫画も、アニメも、架空のレトロ時代に架空のテクノロージーのファンタジーなので、それらしければ、何でも有りかもです。

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もし、マルコ達がデュマの三銃士を読んでいれば、『一人は皆の為に、皆は一人の為に』の利害が少ない閉鎖的で平等な小組織でしか通用しないスローガンの元となったと思われるダルタニャンの『Tous pour un, un pour tous』の言葉は、写真に写るマドンナのジーナを囲む男達四人の仲間にとって、『俺達は一つ、一人、一人が俺達だ』の結束の意味だった事でしょう。

アンドレッチ・ベルネルディ(ベルリーニ?)、アントニオ・モーディカ、マリオ・ブリニョーリ、マルコ・パゴットの四人(ネームは写真の本人達からと思われるサインから)は常日頃から協力し合い、ジーナへの抜け駆けは無し、結婚相手はジーナが選んだ奴で、祝福して彼女の幸せを支え続けるはずだったのに、戦争、経済の混乱と荒廃、慢性的不況、ナショナリズムにファッショと激動する世界に、ジーナと結婚した三人の仲間を失った。

大好きな女性が幸せになれない現実と、幸せに出来ず、そして幸せから逃げる自分を認めるように彼は豚のポルコ・ロッソになってしまった。

カーチスとの決闘後は、『人間に戻ってもまたすぐに豚に戻り、十日くらい経つと飯を食いにジーナの前に現れる』と巷で語られているようですが、フィオに

「私、ポルコを信じてる」

と言われて唇にキスもされ、カーチスの

ジーナはテメエに惚れてんだ。彼女はオメエが来るのをなあ、ずーっと庭で待ってんだぞ!

の言葉で、ジーナの

私がこの庭にいるとき、その人が訪ねてきたら、今度こそ愛そうって決めてるの」

という気持ちを知ったのに、また豚顔になるなんて、それじゃあ、はにかんで素直になれない普通のガキと同じじゃん。

そりゃあ、サゲとか、ブラザーズとか、ヒイたり、メゲたりするところもあるけれど、子供の頃から好きで今も愛してるのだから、もっと大人の対応をして欲しいですね。

私的には豚顔に戻れないと思ってます。

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PS:

『紅の豚』と『風立ちぬ』はリズムや発するモノが似ていそうですが、もう全然違います!

人生への情熱が攻めから退くの、パッションとノスタルジーの違いですね。

アメリカで飛行機設計を学んで自分のインスピレーションとセンスに自信を持ち、兵器の戦闘飛行艇だと自覚して高性能を追求する線を描く17歳のフィオは、帝大卒で夢追い人の二郎より自我を確立した大人なんだろうな。

ポルチェリーノのような拘泥と執着の無い私は、ポルコ・ロッソよりもカーチスっぽいマーセナリーでフォーチュンな生き様になってます。

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北イタリアへは、学校を一週間も休ませた十四歳の娘と一緒に冬のオフシーズンに行って来ました。

ベネチアが在るアドリア海へは行かなくて、その海水には触れていないのですが、ナポリ港やローマからパリへ飛ぶ飛行機から見た冬の地中海は青灰色の海原が柔らかそうで、優しげな感じがしました。

いつかまたイタリアへ行き、アドリア海沿岸、コモ湖の奥、リベリア海岸、ミラノとジェノバの下町、ナポリの坂とポンペイ遺跡の奥、フェレンツェのドーモの天辺、丘上の町々などを、いつかの夏にマウンテンバイクか、オートバイで巡りたいと思っています。

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